ダイエットをする上で食事の管理は欠かせません。しかし巷には、いろいろな食事方法のダイエットが溢れていて、「結局何をどれだけ食べたらいいの?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。

そんなあなたに最適な献立の立て方を教えてくれるのがPFCバランスです。PFCバランスとは1日のたんぱく質、脂質、炭水化物の摂取バランスのことです。PFCバランスを意識して食事をすることで、健康的にダイエットができるのです。

聞きなれない、怪しい言葉だと感じられるかもしれません。しかし実はPFCバランスは、管理栄養士が献立作りで実際に使用している考え方であり、栄養士会では有名な言葉なんです。他のダイエット法よりもはるかに信頼できる食事管理方法ですよ!

この記事では最適なPFCバランスや、PFCバランスを意識した献立の立て方等について紹介します。あなたの食事の悩みを解決する助けに、少しでもなれば嬉しいです。

最適なPFCバランスはいくつ?

供給エネルギーに対するたんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の比率をPFCバランスまたは栄養供給比という。P=約15%、F=約25%、C=約60%が適正な比率とされている。

引用書籍:新ビジュアル食品成分表⦅新訂第二版⦆

この比率は「グラム」ではなく、「カロリー」であることに注意しましょう。ちなみに1gあたりに含まれえるカロリーは、たんぱく質4kcal、脂質9kcal、炭水化物4kcalとなります。例をあげてみましょう。

100kcalを摂取する場合
  • たんぱく質 15kcal (15÷4=3.75g)
  • 脂質 25kcal(25÷9=2.8g)
  • 炭水化物 60kcal(60÷4=15g)

最近の日本人は炭水化物の摂取が減り、たんぱく質と脂質の摂取が増えているそうです。摂取カロリーは抑えられていても栄養のバランスに問題がある人が多いのです。

実際どうやって献立を立てたらいいの?

さあ、電卓を用意して下さい!最初が少し大変ですが、頑張ってついてきて下さいね!

摂取カロリー、PFCバランスの計算

基礎代謝を計算

有名なハリス・ベネディクトの式を紹介します。

  • 男性:66+9137×体重(kg)+5.0×身長(cm)-6.8×年齢
  • 女性:665+9.6×体重(kg)+1.7×身長(cm)-7.0×年齢

※20歳、160cm、50kgの女性の場合、1277kcalとなります。

活動量を選択

下記から自分の運動量レベルに当てはまるものを選びましょう。

  • ほぼ何もしていない→1.2
  • 軽い運動(ジョギング)→1.375
  • 週2〜3回のトレーニング→1.55
  • 週4〜5回の激しいトレーニング→1.725
  • 毎日アスリートレベルのトレーニング→1.9

1日の消費カロリーを計算

基礎代謝×運動量レベル=1日の消費カロリー

※例の女性の活動量を「軽い運動」とすると、1277×1.375=1756kcalが1日の消費カロリーとなります。

今算出した値をベースに食事を考えていきましょう。ではベストなPFCバランスを計算していきます。

PFCバランスを計算

理想のPFCバランスはたんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%でしたね。一日の摂取カロリーにこの比率をかけてあげればあなたの1日に必要なたんぱく質と脂質、炭水化物の量が分かります。

例にあげた女性の1日消費カロリーは1756kcalでしたので、この女性のPFCバランスを計算してみましょう。

例に挙げた女性の栄養摂取量
  • たんぱく質:1756×0.15=263kcal(66g)
  • 脂質:1756×0.25=439kcal(49g)
  • 炭水化物:1756×0.60=1054kcal(264g)

この女性は1日でたんぱく質を66g、脂質を49g、炭水化物を264g取るようにすれば良いと考えられますね。

    お疲れ様でした。無事計算出来ましたか?計算が苦手な方は、必要な値を入力するだけで自動で1日の消費カロリーを計算してくれるサイトがあります。是非利用してみて下さい。このサイトでは、活動量が「ほぼ何もしてない」で計算されるので注意してください。

    ハリスベネディクトの式-自動計算サイト

    今回算出したPFCバランスは当分大きくは変わらないはずですので、結果を大切に記録しておいて下さいね。

    献立を立てる

    いよいよ献立作りの話です。コンビニ中心生活の方と、自炊中心の方に分けて考えていきましょう。

    コンビニ中心

    実はコンビニ中心の方がPFCバランスの調整が簡単です。なぜなら、売られている食べ物のほとんどに栄養表示がされているからです。

    この写真はインスタントラーメンの栄養表示ですが、これを見れば一目瞭然ですね。栄養表示を見ながらPFCバランスを調整すればいいのです。コンビニ食は脂質の高いものが多いので、脂質過剰には注意しましょう。

    コンビニ食の例
    ・ファミチキ
      たんぱく質12.7g、脂質15.7g、炭水化物14.8g
    ・セブンのおにぎり(ツナマヨ)
      たんぱく質4.4g、脂質2.8g、炭水化物38.9g
    ・ファミマのからあげ弁当
      たんぱく質28.9g、脂質23.5g、炭水化物98.2g

    自炊中心

    自炊の場合は少し大変です。献立を作る際に以下のサイト等を参考にしながら、一品一品栄養成分を計算していきましょう。正確にやるのは不可能ですので、大体の目安として考えておきましょう。目安を知っているだけでも献立の立て方が上手になりますよ。

    グリコ-すぐわかる栄養成分ナビゲーター

    自炊食の例
    ごはん300g
    豚ロース塩麹焼き
    高野豆腐と青梗菜の中華煮
    白菜のゴマ酢和え
    ヨーグルト120g
    グレープフルーツ60g
    合計:たんぱく質58.9g、脂質35.3g、炭水化物166.7g

    PFCバランスを使ってどうやってダイエットしたらいいの?

    ダイエットにPFCバランスが必要な理由

    PFCバランスがダイエットにおいて重要視される理由は何でしょうか?それはPFCバランスが整った食事でダイエットした場合に、健康的でリバウンドがしにくいという利点があるからです。

    痩せることだけでいえば、糖質制限ダイエット等も有効です。しかし栄養バランスが乱れているため、健康を害したり、通常の食事に戻した瞬間すぐにリバウンドしたりするというデメリットがあります。

    PFCバランスを整えることは最初すごく大変ですが、健康的でリバウンドしにくいというのは長い目で見るとダイエットに不可欠なんです。

    基本的な考え方

    残念ながらPFCバランスが整っているだけでは痩せません。1日の摂取カロリーが消費カロリーを上回っていないことがPFCバランスと同様に重要です。ダイエットする際は摂取カロリーより約200カロリー少ない食事を長期間が継続しましょう。

    実践例

    1. まずは自分の1日消費カロリーを計算します
    2. 消費カロリーから200kcal引き、それを摂取カロリーとします
    3. 摂取カロリーを元にPFCバランスを算出します
    4. 算出した結果をもとに献立を作ります
    5. 後は実践、継続です!大変ですが頑張りましょう!

    注意点

    このダイエット法は1週間で効果が出るダイエット法ではありません。1ヶ月〜2ヶ月継続してはじめて1〜2kg程度体重が減る程度です。しかし焦ってはいけません。無理な減量は体に負担がかかります。じっくりコツコツ体重を減らしていきましょう。

    また今回は食事面についてのみご紹介していますが、健康的にダイエットするには運動を併用することが必須です。運動方法に関しては、ダイエットに適したさまざまな運動について紹介している以下の記事を参考にしてください。

    [keni-linkcard url=”https://dietnavi.xyz/category/workout/” target=”_blank”]

    まとめ

    いかがでしたか?最後にもう一度重要なことだけまとめてみましょう。

    • 理想のPFCバランスはたんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%
    • 献立作りの前に1日の摂取カロリーとPFCバランスの計算を
    • ダイエットをする場合は消費カロリーからマイナス200kcal程度がおすすめ

    PFCバランスの計算は正直面倒です。しかし簡単なダイエットには必ずリスクが潜んでいます。その点PFCバランスは管理栄養士が献立を考える際に必ず考慮していることであり、信頼性は高いです。面倒なのは最初だけで、慣れたら楽になります。健康的な食生活でスリムな体型を目指して頑張りましょう!

    最後までお読み頂きありがとうございました。